産業廃棄物処理業務の種類
産業廃棄物処理業務は、大きく分けて
【産業廃棄物収集運搬業】
【産業廃棄物処分業】
以上の2つに分類されます。
産業廃棄物収集運搬業とは
【産業廃棄物収集運搬業】
建設業や畜産業等(排出事業者)から出た産業廃棄物を、集めて処分場まで運搬する業者のことです。
このとき、
@収集した廃棄物を、処分場まで直行で運搬する運搬業者を『積替保管を含まない』
A収集した廃棄物を、一旦保管場所で保管し、一定量に達した時にまとめて運搬したり、運搬の途中で別の車に積み替えて処分場まで運搬する運搬業者を『積替保管を含む』
という2通りに分類されます。
産業廃棄物をある一定の量まで保管することが可能であれば、何度も処分場まで足を運ぶ必要が無いので運送コストを削減することができます。したがって当然『積替保管を含む』を選びたいところですが、そのためには一定の基準を満たす必要があります。たとえば
●廃棄物保管場所の周囲に囲いが設けられ、産業廃棄物の積替場所であることの表示がされている場所で行うこと
●積替の場所から、産業廃棄物が流出、放出、地下浸透したり、悪臭が発散しないように必要な措置を講じること
等が要件になっています。この要件はなかなか満たすことが難しく、環境省が発表する平成27年4月の許可件数データでは
積替保管を含む:8,461件
積替保管を含まない:176,966件
と、圧倒的に積替保管を含まない業者が多数を占めている状況です。
産業廃棄物処分業とは
【産業廃棄物処分業】
産業廃棄物処分業とは、収集運搬車等から運搬されてきた産業廃棄物を引き取って処分する業者のことです。処分業は法律で区分が規定されているわけではありませんが、
【中間処理業】
【最終処分業】
以上の2種類に分けられています。
【最終処分業】は、産業廃棄物を『埋め立て』『海洋投入』といった方法で自然界に捨てる業者のことをいい、最終処分の前段階として最終処分しやすくするために廃棄物を小さくしたり(減容、焼却、破砕、圧縮)、最終処分の際に自然環境を汚染しないように無害化したり(焼却、中和)、リサイクルに回したりする業者のことを【中間処理業】といいます。
この2業種は要件が非常に厳しく、許可を得るまでは2〜3年は見ておいた方が良いでしょう。
環境省が発表する平成27年4月の許可件数データでは、中間処理業・最終処分業を含めて、全国で13,221件の許可件数となっています。
産業廃棄物処理の流れ
- 排出事業者から産業廃棄物が排出される。
- 収集運搬業が回収し中間処理業者へ運搬する。
- 中間処理業でゴミを選別。木屑・紙屑・廃プラスチック・金属類等を再生工場(リサイクル)へ回し、それらに当てはまらない廃棄物は、切断、焼却・減容等で無害化し最終処分場へ送る。
- 再生工場ではリサイクルを行い市場へ戻す。
- 最終処分場で、埋め立て・海洋投入により廃棄物を処分する。