内容証明のメリットとデメリット

トラブルが発生した際、電話や通常郵便、メール等の意思表示よりも、内容証明を送ることによって強力な証拠力を得ることができます。内容証明を送ったことでトラブルが解決すればそれが一番良いのですが、もしトラブルが解決せず裁判・調停等の段階へ移ることになったとしても、内容証明を送ってあれば、相手方へ通知し認識を得たという何よりの証拠になり、裁判・調停を有利に進めることができるでしょう。
ただし内容証明郵便はメリットだけではなく、送ったことにより新たな火種が発生するといったデメリットが無いとも限りません。トラブルの内容にもよりますが、相手方へ一切の妥協も許さず、時間的な猶予も考慮しない文面であると、脅迫恐喝と捉えられ、逆に訴えられてしまう場合もありますので、細心の注意をもって作成にあたりましょう。

 

メリット

 

@心理的圧迫・事実上の強制の効果
内容証明郵便では、差出人の強い意志(裁判を覚悟しているなど)が読み取れ、相手に対して心理的圧迫をかけることができます。
電話やメールでの請求では埒があかなかった場合でも、専門家が関与した内容証明で返済の督促をすることにより、不安になった相手方からの交渉申し入れや回答通知などを引き出すことが可能となります。

 

A受け取ってないと言わせない
単なる手紙による通知では、後々トラブルに発展した場合、そのような要請は受けていないと証拠を隠滅される恐れがありますが、内容証明による通知であれば、差出人と郵便局に証拠が存在するため、言い逃れができません。

 

デメリット

 

@文面の内容によっては、差出人が脅迫罪・恐喝罪に問われる可能性がある。
時間的猶予や一時的に書面による回答を認めるなどのある程度の譲歩を交えず、一切の妥協を許さない内容だと、脅迫・恐喝と捉えられる可能性もあります。差出人も時間や費用のかかる裁判・調停までは望んでいなく、できれば内容証明のみで穏便に済ませたいはずです。相手方に心理的圧迫を与えるのも重要ですが、行き過ぎた文面には注意しましょう。

 

A相手方に有利な証拠を与えてしまうこともある。
文面によっては、相手方には伝えておきたくない情報までも伝えてしまう場合があります。内容証明は簡潔明瞭に要点を押さえた文面を心がけましょう。

 

Bいったん出してしまうと撤回ができない。
送る前にもう一度、送るべきか送らざるべきかをしっかり考えましょう。送ったことにより今後の関係性が潰れてしまわないか、新たなトラブルに発展する可能性が無いか。もし心配であれば送らないという選択肢も頭に入れておいてください。

 

 

以上、これらを踏まえたうえで作成しましょう。
もちろんご自分一人で作成することも可能です。しかし相手をなるべく刺激しないよう、文面の内容や表現方法等、注意すべきことが多くありますので、できる限り専門家を交えて作成することをオススメします。